ミュンヘンのMusicland Studioで録音
1980年『ザ・ゲーム』上でリリース
総論:
新しい共同プロデューサー兼エンジニア(Mack)の影響が聞き取れる。
彼は新たなテクニックとスタイルをもたらしている。
ドラム & パーカッション (Roger):
ジョンはドラムループを望んだ。反対していたロジャーだったが、
結果的によい音が生まれることになった。その主な理由は、ドラム・トラックの
タイトさにあるからだ。
いくつかの箇所で低音のリヴァーヴ・エフェクトがみられる。
またフェイズ/フィルター・シンバルと、ハンドクラップのループも聞き取れる。
ベース (John):
ループが終わると、ジョンがミュージック・マン・スティングレイ・ベース(推測)
でグルーヴさせている。
ギター (Brian):
ブライアンの最初のトラックはドライなミュート・ギターで、大半のパートが
ベースとダブルである。(ベースより2オクターブ高い)
もうひとつのギタートラックはファンキーなリックを奏でている。
その後2本の歪んだギターが入り(互いにダブっている)、全体をカバーしている。
違うチャンネルでミックスされているときもあり、また、インスト部分でギターの
重量感を出している。
サウンド:
ファンキーなギターはコンプレッサーによってクリーンである。
歪んだ音の方では、温かい管楽器のようなひずみと低音が得られている。
全てのギターはVOX AC30で演奏されているようだ。先に上げたインスト部分は
エコーとハーモナイザー、バー使用によって仕上げられている。
シンセ:
沢山のシンセ効果と、それに類似したものが使われている。
多くの箇所で、ピアノを逆回転させたようなノイズが聞こえるだろう。
(しかし誰かが言っているように『It´s fun to smoke marhiuana』とは聞こえない)
インスト部分には、騒音、何かを叩く音、ばたばたいう音、ヘリコプターのような
ノイズなどが聞こえる。
誰が演奏しているとは言えないが、Oberheim OBXを使っていたようだ。
ヴォーカル (Freddie)
すばらしくグルーヴィーなリード・ヴォーカル・トラックの他にも、最初の
音をダブらせているセカンド・トラックもある。
ヴォーカルにはルーム・タイプのリヴァーブがみられる。
有名なリフ(その他残り)はオリジナルにはEだが、レコードではすべての音が
半音高めのFに聞こえる。スタジオでのサウンドはおそらく、レコーディングの後で
変えられたようだ。しかしライブではオリジナルのキーで聞ける。
追記:
アメリカでのすさまじい成功を考えると、クイーンでもっとも成功した曲と
いえるだろう。おそらくジョン・ディーコンは、3音からなるこのリフのおかげで
十分儲けているのではないだろうか。今日でもサンプリングやカバーが盛んだ。