John and I ―ただのしゃべくり漫談


戦慄の王女

mami: ヤッホー、ディーキーくーん。よう来てくれたねえ! (と言いながらぺしぺし体を叩く。すっかり関西のオバハン)
John: (ムッとして余計へにょ口に)…随分なれなれしいんだね。
mami: だってまだ年下なんやもん。はい質問。クイーンのオーディションに 受かった決め手は何やと思う? やっぱりルックスやろ?
John: 違うよ!プレイが上手くて、機材に強かったからさ!(威張る)
mami: チッチッチッ、甘いな。たとえば君がユーライア・ヒープのミック・ボックスとか、 ゴダイゴのミッキー吉野みたいだったら、いくら器用でもオーディションなんか 絶対受かってへんって。君の美貌に目をつけたの、フレディは。うん。
John: ……。(無言で睨んでいる)


クイーン II

mami: たしかこのときはまだガッコの先生だったんでしょ? 生徒に笑われへんかった? うわっ、あの先生ミュージシャンやって。ほんまかいな、とかって。
John: 違うよ、僕は学校の先生なんかしてないったら。インタビューでそう言ってるだろ?86年5月号の「IN ROCK」を読んでよね。
mami: まあ、どっちにしても、ジャケットのなりきりぶりは笑えるな。


シアー・ハート・アタック

mami: (ジャケットを見ながら)この服、何色なん? 紫? 黒?
John: 忘れちゃったな。紫はフレディのリボンじゃないの? ワセリンがぬるぬるで、 気持ち悪かったのはしっかり覚えてるけどね。
mami: 良く見ると、フレディとブライアン両方に肩を貸しているみたいやね。
John: うん、だからロジャーに『重いじゃねえか!』って怒られた。…って、どうして 僕の曲について聞いてくれないの? 初めて書いたんだよ?
mami: えーっ、恥ずかしいやんか。年頃の女の子がそんなこと尋ねられる曲と思うん?
John: ……。


オペラ座の夜

John: これこれ! 僕の初シングルヒット曲が入ってるんだ。『ボヘミアン・・・』は ナンバーワンだし、嬉しかったなあ!
mami: はいはい、そう興奮しないの。奥さんに捧げたんでしょ。 でも、どうやって曲作ってるん? 歌えへんのに。
John: 歌の話はノーコメント。
mami: もしかして家で弾き語りしてる訳? そりゃ奥さんも、デカい家が必要になるわな。
John: ……。


華麗なるレース

mami: またまた極甘新婚ソングやね。あ、もう新婚とちゃうか。 隣で『誰か僕に愛する人をみつけて』って言ってる人もいるのにさー。
John: まあ、いいじゃないか。それより僕のベース、どうだい? 『ミリオネアワルツ』なんか、うまいもんだろ?
mami: ベースプレイはノーコメント。


世界に捧ぐ

mami: 好きやわ〜、このアルバム。『永遠の翼』があるしね。
John: そう? 嬉しいな。少し成長したの、分かるだろ?
mami: それに、このショートカット、むっちゃええ感じ。 ロバート君抱いてる映像も、優しいパパぶりが見えてグッド! おまけに…
John: うんうん、可愛いだろぉ、ロバート。(満面の笑顔) 「パパ、パパァ」って抱っこをねだるんだよぉ。
mami: …おまけに、なんといっても、『ツアー中にガラスに右腕突っ込んで19針縫う』 なんておいしすぎるネタを提供してくれた頃やもん。
John: (ギクッ)そ、その話はよそう。
mami: なんでそんなことしたん? よっぽどぶち当たらんかぎり、19針も縫わへんよ、 普通。しかも奥さんと子供も連れていってたんやろ、全米ツアーは。
John: いいじゃないかぁ…。君もう書いてるだろ、『えいつば』で。
mami: あれはすごく好意的なの。ほんとは後から奥さんや他の3人にボロクソに 言われてたんとちゃう? 何マヌケなことさらしとんねん、ボケ!とかさー。
John: ……。


ジャズ

mami: このアルバム、ぶい〜んと唸るベースが目立ってていいね。
John: (無視)
mami: それに美メロ爆発!な『セブン・デイズ』。素敵やわ。 『うちひしがれて』もいいけど、ちょっと日本語訳が意味不明。
John: (無言)
mami: 何怒ってんの? そのスタイルでぶすっとしてたら、 仕事に疲れたサラリーマンみたいやん。
John: イヤなんだろ、この髪形。久米宏って人みたいで。
mami: そりゃ、初めて見た時はびっくりしたけど、ストイックな感じでいいと思うよ。 ただ、…
John: ただ…何?
mami: その頭でサングラスは止めて欲しいだけ。


ザ・ゲーム

mami: 初めて写真見たのが、このアルバムやってんけど。
John: そう。カッコ良く撮れてるだろ? 中は渋めでさ。 これ見て僕のこと好きになった訳だね。分かるよウン。
mami: いやそうじゃなくて…
John: (聞いてない)しかも大ヒット作が入ってるしね! これで僕のクイーンの 中の地位も一気に上がったんだ。何と言っても全米ナンバーワンだもんなあ!


フラッシュ・ゴードン

mami: 4人の名前の順番、アルバムによって違うんやけど、なんか意味ある訳?
John: どうして今ごろそんなこと聞くのさ。
mami: このときジョン、トップやん。
John: それがどうかしたの?
mami: アレでトップなんかなーって、不思議に思っただけ。


ホット・スペース

John: このアルバムはねえ、マズかったんだよな…。ちょっと時代を 先取りしすぎたみたいでね。ゴタゴタもあったし、あんまり好きじゃないな。
mami: はあ、そうですか。
John: おや、随分しおらしいね、今回。
mami: そろそろ敬語使わんとまずいかなって思ったもんですから。それに何ですか ディーコンさん、30過ぎたらいきなりオトナの魅力満開ですやん。 指輪も外してはるし。
John: ああ、よく気付いたね。ところで、君はこのアルバム、好き?
mami: 好きです、はい。『ステイン・パワー』とか『ダンサー』のノリがいいです。
John: それから?
mami: それから『ボディ・ランゲージ』に『アクション・ディス・デイ』。 思わず踊ってしまいますわ〜。
John: …なんか忘れてない?(といってじーっと見つめる)
mami: (おびえる)だっ、だめですったら、その顔にヨワイの知ってるくせに〜。 ごめんなさい、『コーリング・オール・ガールズ』もありましたね。 …ああ、行かないで〜。私が悪かったです。だからそんなにすねながら ベース弾かないでくださいよぉぉ…。


ザ・ワークス

mami: …で、なんでお茶目さん路線にコロンだんですか…。 その頭、楽しすぎますって。
John: ちょっと気晴しにね。アルバム作りに時間がかかりすぎて、 フラストレーションも溜まってたし…。
mami: 仕草も、なんていうか、可愛すぎますわ…。
John: 皆に喜んでもらえたら僕はそれで満足なのさ(にこっ)
mami: ブライアンとロジャーの仲、どうなんですか? ごっつヤバイってきいてますが、あなたはどっちの味方なんです?
John: 僕はただ静かに笑って嵐が過ぎるのを待つだけだよ(にこにこっ)
mami: ……。(この人、絶対ストレス増えてるで…)


カインド・オブ・マジック

mami: 全英ナンバーワンなんですね、このアルバム。
John: そうさ、僕たちの人気は衰えることを知らないって感じだね。(ふっ、と嘆息)
mami: …その割にはお疲れとちゃいますか? 煙草の量も増えてはりますやん。
John: まあね、いろいろ思うことがあってね…。この業界に長くいると、 辛いこともいっぱい出てくるし、子供も大きくなったら大変だし。 いつまで続けられるか…(は〜)
mami: そ、そんな心細いこと言うててどないするんですか〜! あなたのこと精一杯応援してるファンがたっくさんいるんですよ。 フレンズ・ウィル・ビー・フレンズやないですか!
John: うん、だからライブでは頑張って目立ったつもりだったんだけど。
mami: え、ええ。まあ…。(頑張り方が違うような気が…)


ザ・ミラクル

mami: 少し太らはったでしょ?『ブレイクスルー』の写真見ると、 体格ようなったなあって思いましたもん。
John: ええーっ、そうかなあ? オフがあったからかもしれないね。
mami: このアルバム、ほんとに積極的で明るくて「どんとこい!」パワーが 溢れていて好きです。なかなか馴染めなかった曲もありましたが。
John: 馴染めなかったのは、どれだい?
mami: 『レイン・マスト・フォール』。
John: (ムッとする)どうしてさ?
mami: あっ、歌詞はいいんですよ、歌詞は(弁解)。もっとこうハードな曲が 好きなもんで、あのおちゃらけた感じがちょっと…。だって、力抜けますよ、 始めの『ちゃらっちゃちゃららら』のあとのフニョッって音。


イニュエンドウ

mami: …いろいろありましたね。
John: そうだね。
mami: まず謝らなきゃいけないのは、私、このアルバムはぜんぜんベースの音が 聞こえへんなと思ってたんです。前作はバリバリでしたやん。 それにあんまりスタジオにも来てはらへんかったっていうし。 でも、じっくり聞いて、すっごいメロディアスな音が至る所に 散りばめられていることを発見したときは嬉しかったです。
John: それはどうもありがとう。
mami: はあ…(うう、反応がシンプルすぎて苦しい)


メイド・イン・ヘブン

mami: 中に入っている、フレディとの写真は雰囲気出てますね。
John: 僕とフレディが一緒にうつっている写真って少ないから選ぶのに困ったよ。
mami: えーっ、ありますやん、「LIAR」のときのが。
John: ブライアンがあの写真にしたからね、年代が重なってはいけないだろ?
mami: そんなことないと思うけど…。あ、実は顔見せたくないんでしょ。 もったいないな〜。
John: 他に聞くことなかったら、もう帰るよ。じゃ。(バイクで走り去る)
mami: ちょ、ちょっと待ってくださいよぉ…ああ、行っちゃった。 せっかく『TOO MUCH…』と『YOU DON'T FOOL ME』の話しようと思ったのにぃ。


二人が次に出会う日は果たして来るのか…?

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