Don't Try So Hard
Written by Queen
Recording information by Philipp
(PraxisNothaft@t-online.de)
*オリジナルはこちら*
モントルーのマウンテン・スタジオで録音
1991年2月『イニュエンドウ』上でリリース
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総論:
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力強く、素晴らしいバラードだが、不幸なことにかなり過小評価されている。
これほどのダイナミクス、エモーションに溢れた曲は聞いたことがない。
クイーンは、沈黙、同時に頂点に達するパワーを1曲に込め、複雑な構造で
それらをミックスできることを証明している。
これを書くまでは、長い間聞かずにいた曲だった。しかし今は違う。
クイーンに完全に脱帽した。「イニュエンドウ」はおそらくベストアルバムの
ひとつだが、この曲はそれに貢献している。
夜中にヘッドフォンで聞いてみることだ!
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ドラムス
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ロジャーのドラムはパワフルだが、経済的だ。静かなギャップがあるのは、おそらく
オーバーヴューして完璧なタイミングを計るために、デモ・ガイド・トラックを
使用しているからだろう。ベーシックトラックでは、ライド・シンバルが重要な
役割を果たしている。ハイ・ハットは使用しておらず、コーラスとブリッジの間で
スネア、ベース、タムス、クラッシュ・シンバルが参加している。低いタムスが
印象的な雰囲気を形作っている。スネアとタムスはかなりリヴァーブされている。
オーヴァーダブ:クラッシュ・シンバルの多くがオーヴァーダブされていて、
選別されている。ソロの部分では、シェイカーがミドルで聞こえる…シンセではない。
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ベース (John)
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ジョンのベースはカスタム・メイドのようだ。
サウンドもハードウェアも素晴らしい。
適材適所という言葉をジョンはいつでもよく知っている。
サウンドは非常に温かく、サステインが利いている。おそらくシグナルは、
プリ・アンプ、12トラックEQ、デスクのコンプレッサーを通して出ているのだろう。
ジョンのプレイも非常に経済的だ。シンセは使用していない。
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キーボード
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ほとんどのキーボードはジョンによるもので、軽くフレンジおよびリヴァーブ
している。一つ目は「choir-aah-sound」(The General Midi listの53番と同じ)で、
最初から1:22のところで聞こえる。二つ目はストリング・パッド・サウンドで
演奏。うち一つはスロー・ストリング・サウンド(50)で、バックで鳴っている。
もう一つはより強めの音で(49/51)、ソロの前のベースの合間で
聞こえる。ほかにも、雨だれのようなサウンドが、最初の部分に現れる。
これは ice-rain (またはwater)―FX.(no. 97)。
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ギター
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ブライアンは最初にクリーン・ギターを録音。このトラックは詞の部分やソロの
ところでアルペジオとコードで演奏されている。イントロとアウトロではハーモニクス。
そのあと、歪んだリズム・ギターが、コーラスとブリッジ部分で聞ける。
ブリッジには短い幕間がある:2本のギターは心持ち左から、もう2本は右から
聞こえて来るので、全部で4本のギターが使われている。
ソロ・ギターは左から右にフェイドし始め、ミドルでソロが演奏される。
サウンド:すべてのギターはレッド・スペシャルである。(なんて音だろう!)
デスクから直接プラグされている。エフェクトはZoom。
クリーン・ギターは軽くディレイされていて(50ms)ステレオ・コーラス。
歪みのあるリズム・ギターはチューブからの快いクランチ・サウンドでこちらも
ステレオ・コーラス。コーラス・ギターはトレブルが利いていてひとつのコーラスを
作っているが、そのセッティングは今回はより変化している。
ソロ・ギターには緩やかな転調フランジャーと、非常に静かなフィードバックを持つ
ステレオ・ディレイがみられる。
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ヴォーカル:
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フレディの素晴らしいリード・ボーカルはリヴァーブし、コーラスの中で静かに
スレレオ・ディレイしている。ブリッジではブライアン、ロジャー、フレディが
4-5つのヴォイス・トラックでバッキング・ボーカルをとっている。ソロの前に
少しだけ、ヴォイス・サンプルを使用した部分がある。
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付記:
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「イニュエンドウ」のレビューは数多く読んだが、奇妙なことに、誰一人として
この曲について語っていなかった。作曲者についてはいろいろ憶測されている。
ほとんどの人がジョンが書いたといっている。可能性にすぎないが、彼らしい歌詞
だというのがその理由だ。私自身は、この曲はチームワークだと思っている。
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