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★☆青いカツラでロケンロールの巻☆★

リチャード・ブランソン氏。ジョンと同い年。昨年(1998年)は気球に乗って名を馳せていた英VIRGIN社の総裁である。彼とクイーンとの接点といえば、彼の秘書をしていたドミニクさんがロジャーと知り合った、という経緯があるのだが。

1987年。イギリス-フロリダ間に空路をこしらえた彼がその処女航空便に招待した中に、新人ラップ・バンド「モリス・マイナー&メイジャーズ」という3人組と、ジョン・ディーコン氏がいた。

おそらくほろ酔いでご機嫌だった彼に、3人は申し出る。

「僕たちの次のシングルのビデオクリップに、出演してもらえませんか?」

ほんのジョークのつもりだと、思ったらしい。
次のシングルなんか出るもんかと思ってたかもしれない。
それとも酔って陽気になっているところに漬け込まれたのか。
ジョンは快く承諾する。

そして災難は忘れた頃にやってきた。

彼等のクリップ「Stutter rap」は、翌年に発表された。
言われてもにわかには信じがたいジョンの姿が、そこにはあった。

クリップはちょび髭で短パンの3人がずれたラップで町並みを歩くシーンが主である。 そして場面は後半から白いバックのスタジオに移る。 (画像作成:haruto様)

てってって〜 怪しげな男、登場

@画面左端から、俯き加減でてってって〜と歩いて来る一人の男。 ブルーのカツラが眩しい。右腕にはリボン。肩に赤いキスマーク(?) 提げているのはベースではなく、ギターらしい。

じゃじゃーん 怪しげな男、目立つ

A正面までくると前を見据え、ギターをばりばりと弾き始める。 白地に人体の模式図のような柄のタンクトップ。露出も激しい。 演奏スタイルは「突っ立っているブライアン」に似てなくもない。 腰は振らない。内股ではない。

右端の人物が銃を取り出したところで画面が変わる。
銃声と呻き声とぶっ倒れる音。

誰やねん 怪しげな男、どアップで寝る

B真ん中の人物にもたれて寝ている(死んでいる?)姿のアップ。 かろうじて口が面影を宿している。のかもしれない。 言葉にならない嘆息が漏れてしまう一瞬でもある。

いや〜ん 怪しげな男、ひたすら寝る

Cカメラが引く。ひたすら目をつぶっている。 抱いているのは先程のギター。 そんな奴にもたれるなんて間違っているぞと思う。

彼はバレないように、念には念を入れて「変装」したのだそうだ。 にもかかわらず、クリップをファンクラブに提供したのは本人らしい。 恥ずかしいけど、皆に分かって欲しい…という思いを汲んであげようではないか。


(追加情報:29th November 2002)
驚くべきことに、この映像が入った70〜80年代コンピレーションDVD("Greatest Hits")が今年リリースされている(もちろん海外で)。実際、『Stutter Rap』は1988年に全英4位全豪ではNo.1に輝いている大ヒット・シングルだったから当然といえば当然かもしれない。全英4位がどれくらいすごいのか。あの『地獄へ道づれ』でさえ全英では7位どまり(81年)であること・同じ88年に出たザ・クロスのシングル『安住の地(Heaven For Everyone)』が83位、フレディ&カバリエさんのアルバム「バルセロナ(Barcelona)」でも14位だったことを考えてもらいたい。ジョンの『No Turning Back』なんて、言いたかないがチャート落ちである。そんな輝かしい一発屋シングル(次回作はあっけなく没落している)にジョンの青いカツラが貢献し、こうやってDVDまで出ているのかと思うと誇らしい。複雑だが。

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アイキャッチにも使われてます

(モリス・マイナー・アンド・ザ・メイジャーズのリーダー兼ライターのトニー・ホークスさんのウェブサイトには『Stutter Rap』のMP3が置いてあるので興味のある方はぜひ)


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