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It’s A Hard Life

Written by 黒とかげすぴかさん

、、今夜も、貴族たちの馬鹿騒ぎがままだまだ続く、、、。
きらびやか衣装や宝飾を身にまとい、貧困に苦しむ者など気にとめることなく、
最大の贅沢をつくし、歌って踊り、飲食しては、恋をする、、、。
ある種いつもの社交場とも言える宴を繰り広げられたのだが、今日は、趣向が少し違っていた。
「実は皆様にお見せしたいものがありまして、、、。」
そういう、貴族の今宵の主催者が声を張り上げた。
彼は、皆がいるフロアよりワンフロア高いところにいて、踊り場付き中央階段で一階へと昇り降り出来る。
その姿は、とても恰幅がよく、そして、上機嫌に見えた。
手が揉み手になっている。
「お見せしたいもの?なんでしょうねえ」
「さあ?でも、楽しみねえ」
そんな主催者の言葉に反応する、他の貴族たち。
「ご覧になりたいですか?」
そんな反応が嬉しいのか、主催者がまるで引き伸ばすように尋ねる。
「私の大事な宝物のコレクションの一つですよ」
「そりゃ、まあ」
と、大きな団扇を優雅に中で扇ぎながら答える、貴族もいれば、
「なんだね?もったいぶって」
短気な貴族もいる。
「実はですねえ。先程私の大事な宝物のコレクションと申し上げましたが今日は、とても素敵なものを手に入れまして」
「ほほう。それは興味深い」
「ぜひとも拝見したいわ」
皆の関心が自分に向いた所で、主催者は、こう更に声を張り上げて言った。
「では、皆様にお目にかけましょう。
これが私の自慢のコレクションの一つです」
そう言って、指をぱちんと鳴らす。
すると、丁度下手から、なにやら、赤くて斬新的な服を着せられた、後ろの髪の毛を伸ばした男がふらっと出てきた。
その目は、一点に定まらず、どこか遠くを見ている。
身長は、約170cmだろうか。中肉中背の、、、しかししなやかな体を持った、2.30代の男だった。
黒い肌、どこかエキゾチックさを感じさせるフェイス。
口ひげ。
そのしなやかな身体を強調させたいのか?男は、ほとんど上半身裸に近かった。
「まあ」
それを観た貴族は、そんな声を上げた。
「この男が自慢のコレクションですって?」
どうやら批判的だ。
「私としては、もっと若いほうが、、、うふふっ」
「あなた、そっちのけがあったの?」
「、、、まさか、隠し子か?」
しかし、主催者は、そんな言葉を無視して、言葉を続けた。
「これからお見せします。彼は、本当に私の大切なコレクションの一つですから。
そして、皆様の期待は、決して裏切らないと思いますよ」
そう言って、「ほら、カナリアよ。少し歌ってご覧」
と、横に立つ、男に声をかけた。
すると、男は、その言葉になんの反応をせずにただただ歌いだした。
♪〜〜〜〜
すると、皆は、あまりの男の歌の上手さに、狂喜乱舞した。
「まあ!!!なんて素敵な歌声なんでしょう」
「素晴らしい、素晴らしいコレクションだ」
だが、一つ引っかかりがあって、ある貴族が尋ねた。
「そんな素晴らしいコレクションを手に入れるのは大変だったろう?
どうやってこんな素晴らしい歌の持ち主の男を手に入れられるんだ?
教えてくれないか?
うちにも一つ欲しいから」
「それは、ですね」
鼻高々に、主催者が答えた。
「町を馬車で移動していた時に、偶然、このカナリアがフラフラと馬車の前を横切ったんですよ。
で、危ないと注意したが、耳に届かず。
一向に言っても馬車の前をどいてくれない。
いい加減しびれを切らせて、剣を取り出し殺そうとて思った所、突然カナリアが歌いだしましてね。
その歌声の素晴らしさは、もう皆様がご承知の通りです。
カナリアは、どこかで、頭を強く打ち付けたのか?
全く記憶をなくしておりました。
なので、私の館へ連れてきた、ただそれだけのことです」
そう言ってから、高らかに笑いだした。
「ぬう、なんて羨ましい」
「ママ、うちにもあんなもの欲しい」
口にする言葉は、人それぞれだったが、今日の主催者が優越感に浸れるほど、
男、、、カナリアの歌声は素晴らしかった。
「よしっ。じゃカナリア。下に降りて、皆様にその歌声を聞かせてやりなさい」
主催者が優しい声で、、、しかし、強制的に言った。
すると、カナリアは、その言葉が届いたのか?
聴いたこともない曲を歌い出し、それらしい仕草をしながら、下へと続く白い階段をゆっくりと降りていった。
「この歌は、、、?」
しばらく夢中で聞いていた、参加者だったが、ゆっくりとその後ろについて降りてきた主催者に尋ねた。
「どうやら、彼のオリジナルの曲のようですよ。
もちろん歌詞も」
「カナリア?彼の本名なのかい?」
別の貴族が聞く。
「いや、自分の名前さえわからなかった。
なので、私が名付けた。
その声で皆を喜ばせる、、、。
そう、私の今宵のコレクションは、鳥ならぬ人間のカナリアなのですよ」
主催者はそう言うと、ハハハハッと笑った。
周りも笑う。
「なるほど、良いコレクションを手に入れましたなあ」
あくまでも貴族たちは、男、、、カナリアと名づけられた男を1人の人間ではなく、コレクションの一つとしか考えてなかった。
飽きたら即殺されてしまう、儚いカナリア。
ペットとされたら、歌い続けなければ死が待っている。
それを知らずか?知ってか?カナリアは、歌い続けた。
皆の注目を浴びて、更にその歌声は伸びやかになった。
、、、が、歌の間で、ガブリとワインの瓶をつかむと、それを一気に流し込んだ。
「アルコール中毒?」
貴婦人が眉を潜めて囁いた。
「でも、ほら、あのコレクションのカナリア、酒を呑むたびに、調子が上がっていくぞ!!!」
そういった貴族。
皆もそれに気がついて、カナリアにグラスを渡すと、おひねりとばかりに、次々にワインを注いでいった。
カナリアもそれを一気に飲み干す。
そして、歌う。
その声調は素晴らしいものだった。
特に高音域に伸びがあった。
7オクターブの声が出る男だった。
カナリアは、まるで、我が物顔でフロアを隅から隅まで移動する。
時にセクシーに時に時に皆を歌わせながら。

そうして、センセーショナルなお披露目を無事終わらせたカナリアは、殺されることなく、
無事、しばらく、この主催者の館で飼われることとなった。

貴族たちの宴は毎晩のように続く。
カナリアは、他の宴でも必要不可欠な存在になっていった。
度々貸し出されることとなった。
もちろん、飼い主と一緒に移動することが多くなった。
しかし、飼い主は、そっちのけがないため、もっぱら、カナリアの仕事は歌うことであった。
カナリアは、よっぽど歌うのが好きらしく、どこでも、どんな時も、歌を歌った。
まるで、自分の立場がわかっているかのように。

そして、ある館で偶然置いてあったピアノをカナリアは、弾きながら歌った。
そのパフォーマンスは、更に素晴らしく、カナリアが宴に呼ばれることが更に多くなった。

しかし、カナリアは歌っても同じ曲しか歌わなかった。
一曲ではない。レパートリーはたくさんあるのだが新曲は歌わなかった。
飽きやすい貴族たちは段々子供がおもちゃをすぐに手放してしまうかのように、
飽きていった。
そして、カナリアの存在が危ぶまれた時だった。
カナリアは、ある貴族の娘に恋をした。
その途端だった。
カナリアは、いつも宴以外は、鉄格子のある部屋で飼われていた。
が、ピアノを弾くというのが分かって以来、ピアノも置かれることになったのだが。
そのピアノで、たくさん、そして素晴らしい曲をものすごい速さで作り始めた。
いくら記憶がなくても本能的に覚えている感じであった。
貴族の娘の名前は、バーバラ。
バーバラも次第にカナリアに心惹かれていった。
貴族とコレクションとの恋、、、。
禁断の愛であった。
鉄格子の隙間から手と手を合わせる程度だった。
だが、しかし、それでもカナリアには、曲を作る力になった。
後にその恋は、飼い主の耳に伝えられて、逆に、カナリアに曲を作らせるため、
飼い主の手により利用されていくのだが、カナリアは、ひたすら曲を作り続け、
それがお披露目されていくたびに、再び、カナリアの出番が多くなっていった。
中には、カナリアのファンになり、貢ぐものが出てきたりしたが、
それも全て、飼い主の懐を暖めることとなった。
果てには、その噂が王の耳に止まり、王の前でお披露目されるまでとなった。
もうペットと飼い主という関係より、歌手とマネージャーのような関係となっていた。
ともあれ、カナリアはあくまでもコレクションの一部であり、
飼い主が飽きてしまえば、効果がなくなり、捨てられるか?抹殺されるか?高い値段で譲渡される。
しかし、ここまで来ると、飼い主も、逆にカナリアを手放したくなくなっていた。
それぐらい、カナリアの曲も、歌声もピアノも素晴らしかった。
なので逆に、他の物に奪われたくないとも考えるようになった。
誰かにカナリアを奪われる夢を何度となく見るようになった。
カナリアが、逃げ出すのではないかと思うようになった。
そのたびに、カナリアの自由は制限されていき、カナリアのお披露目会も数が減ることとなる。
しかし、記憶がなく、ただ歌うために生かされているカナリアには、そんな飼い主の心配が伝わらず、
いつも、部屋にある小さな窓の外を焦点の合わない目で見つめていた。
もちろん、カナリアは、機嫌の良い時は、自室でも歌を歌った。
しかし、失恋したときなどは、全くと言って良いほど、曲がかけなかった。

そんな中であった。
とある、ホームグラウンドでの宴の際。
カナリアはいつものように、歌を歌い、ピアノをならして、パフォーマンスをしていたのだが、
貴族とは思えないような格好で、左手に、何やらケースを持って、踊り場がある階段を登っていく1人の男性がいた。
カナリアは、少し、その男の姿を目でおったが、すぐに、ワインを飲むと、その中身を貴族たちにぶちまけた。
その行為が、逆に貴族たちを喜ばせる。
一種のカナリアのパフォーマンスだ。

そして、カナリアのパフォーマンスが終わったあとだった。
片手にユニコーンの頭部の作り物と、お尻に銀のしっぴを生やした服を着た貴族が、
カナリアの前にすっと歩み寄ると、周りを気にしつつも、
「お兄ちゃん」
そう、囁いた。
カナリアが、その声に反応して、貴族の顔を見る。
「Freddyお兄ちゃん」
貴族が今度は、少し力強く言う。
「僕だよ、末っ子のJohnだよ」
そう言って、にこやかに笑ってみせた。
「、、、?、、、」
しかし、そう言われても、カナリア、、、Freddyと呼ばれた男は、分からない顔をする。
「お兄ちゃんの噂は、庶民にも知れ渡ってね。
もしかしたら行方不明のお兄ちゃんかもしれないと思って、この馬鹿騒ぎに潜入したんだよ」
そう言ってから「さあ、お兄ちゃん。帰ろう。僕達の村へ」と手を差し伸べた。
しかし、カナリアは、ビクビクするばかり。
「お兄ちゃん。僕のことがわからないのかい?
もしかしてメアリーのところへ遊びに行ってくると行って家を出たけれど、
何かのアクシデントで記憶喪失になったんじゃ、、、」
貴族、、、Johnは、そう言うと、手を差し伸べるのを止めた。
、、、と、そこで、
「ちょっと待った!!!!」
という、声が入った。
カナリアの飼い主が心配してやってきたのである。
「あなた失礼だがどなたのご氏族かな?」
ジロジロとJohnを見る、飼い主。
「えっと、、、その、、、」
Johnはしどろみどろだ。
「うちのカナリアに何か用事でも?」
しかし、嫉妬に狂った飼い主は、追求を止めない。
「いえ、、、その、、、素晴らしい歌だなあと思いまして、、、」
「そうでしょう。そうでしょう。
うちのカナリアは、そんじょそこらのコレクションではないのですよ。
なにせ、あの王様の前でパフォーマンスしたんですからねえ。
しかし、いくら気に入ったからと言って、お金には買えませんよ。
こんなコレクション、二度と手に入らないかもしれないし、、、」
「うちの兄貴を、モノ扱いにするな!!!!」
今度は、Johnの背後から、もう一人、金髪の貴族らしい服装をした男が現れて言った。
「うちの、、、Freddy兄貴は、コレクションじゃない!!!
お前や俺たち庶民と同じ人間だ!!!!」
「Freddy兄貴、、、?」
飼い主の顔がどんどん青ざめていった。
「ま、まさか。カナリアの兄弟?!」
「そうだとも!!!」
金髪の男が、Johnの前に立って言った。
「Rogerお兄ちゃん、、、落ち着いて、、、」
Johnが、金髪の男、、、Rogerの腕を掴んでそう言う。しかし、Rogerは、
「これが落ち着いていられるか!!!
庶民だろうが、貴族だろうが、Freddy兄貴だろうが、
みんな赤い血が通った人間じゃないか!!!
それをコレクションだなんてもの扱いなんか、許してられるか!!!!」
そう、息を荒くして言った。
ざわざわっっっっ。
それが周りの貴族たちに聞こえ、周りが警戒態勢になった。
ピンチである。
「馬鹿なやつだのう」
飼い主が見下げたように言った。
顔色は今度は逆に怒り真っ赤にしている。
「所詮庶民なんて、ただの働くしか脳のない、貴族を支えるためだけに生まれて死んでいくものであろうが。
カナリアだって、わしが見つけてなければ、死に絶えたんだ。
それをわしが拾って、コレクションにしてやったんだろう?
光栄だと思ってほしいものだな」
ピクピクと、体を震わせながらも、なんとか理性だけで、そう言った飼い主だったが、
「所詮、庶民の浅知恵。
こんな貴族ばかりの場所へ、のこのこ二人だけで来おって。
皆の者捕らえよっ!!!
この貴族様の屋敷に、薄汚い庶民がいるぞ!!!」
「はっ!!!」
そう言って、RogerとJohnが城の衛兵に捕まえられてもがいているところだった。
先程の、カナリアが不審に思った男が、何やらドクロの模様をした、ギターのようなものを大切そうに持つとそれを掲げた。
するとどうだろうか?
貴族たちも衛兵もかなりあの飼い主さえ突然館から逃げ出しいなくなり、広い広い館に残されたのは、RogerとJohn。
そして、ギターのようなものを掲げた男と、カナリアのみとなった。
カナリアの髪も、その長い髪もリーゼントになっている。
「大丈夫かい?Freddy兄さん」
ギターを掲げた男が、二階から声を放つ。
だが、その声はか細く、ほとんど聞き取れない。
「ああ、大丈夫だよ。Brianお兄ちゃん」
Johnが、報告する。
「助けてくれてサンキュー」
Rogerが礼を言う。
「ただねえ、記憶をなくしているみたいなんだよ、Freddyお兄ちゃんが」
「記憶を?」
Johnの言葉に、Brianが颯爽と二階から一階へと階段を降りてきて3人の輪に加わった。
「Freddy兄さん、大丈夫かい?」
Brianが、そう言って優しくカナリア、、、Freddyの肩に触ったが、Freddyは、ぱんと、空いた手で振り払うと、
ワインをらっぱ飲みする。
「ほら、僕達兄弟じゃないか。
長男が、Freddy兄さん、君で」
そう言ってBrianは、手の平でFreddyを差した。
「次男が、僕、Brian。そして」
「俺がRoger。三男だよ」
「そして、末っ子四男のJohnです」
「…」
そう挨拶しても、Freddyはワインを飲むばかり。
「Freddy兄さんは、メアリーのところへ遊びに行ってくると行って家を出たんだよね?」
Brianが二人に尋ねた。
「そうそう」
Johnが頷く。
「その時、何かフレディ兄さんとトラブルでもあった?」
Brianが更に聞く。
「なにも、いつもの調子で出かけていったし、何のトラブルもない、はず。
だから、無視しているとは考えられないと思う」
Johnがこう結論づけた。
「、、、どうやら本当に記憶喪失みたいだねえ」
Brianが心配そうに言った。
「、、、仕方がない、最後の方法だ、、、」
Brianがつぶやいた。
「Roger、John。頼む」
「へーい」
「了解しました」
RogerとJohnは、いそいそと部屋の外へと出た。
「Freddy、、、頼む、記憶を取り戻してくれ、、、」
Brianは祈るばかりであった。
、、、と、部屋の外へ出た、RogerとJohnが大きな大きなかごバッグを2つずつ持って再び姿を表した。
もう一人、RogerとJohnの後ろに人がいる。
「ちぇっなんだか貴族の衣装って動きづらいなあ。下向くとチクチクするし」
「それは、Rogerの衣装の時のチョイスミス」
「いや、これは衣装さんがだなあ」
「いや、似合ってるよ。二人共」
ああだこうだと言い合いながらの登場に、Brianは、こほんと一つ空咳をした。
「よく来てくれたねありがとう」
Brianは、そう言って手を差し出した。
「どうしまして」
RogerとJohnの後ろにいた人間が、遠慮がちに、Brianの差し出された手を握ってすぐ離す。
「Freddy兄さん。これならどうだい?」
ワインの瓶を空にして次の新しい瓶を求めて立ち上がろうとしていたFreddyの前に、
RogerとJohnは、片膝をついて座ると、かごバックを置いて、蓋を開けた。
その中には、、、。
「Goliath!!!Oscar!!!Tiffany!!!Romio!!!Miko!!!Lily!!!Dorothy!!!」
そう!!!Freddyに記憶がなくなる前まで可愛がっていた、愛猫たちが。
そして、
「Freddy。僕のことは覚えているかい?」
ちょっと心配そうな表情でそう語る、Delilahを抱きしめながらのJimがRogerとJohnの後ろに立っていた。
「、、、ああ、覚えているよ。忘れるはずがないじゃないか、ダーリン。
君は、Jimだろう。そしてみんな、、、、」
Freddyがそう言ってJimからDelilahを受け取って抱きしめた。
「Delilah。Delilahだ。なんかみんな懐かしいなあ。なんでだろう?なんかずっと歌ってたようなきがするけれど??」
と、ワッとみんながFreddyを中心として集まった。
「記憶を取り戻したんだね?」
お祭り騒ぎになった状態で、BrianがFreddyに尋ねた。
「キオクヲトリモドス?何の話だい?
俺はただ、メアリの家に遊びに行ってそれからそれから、、、あれ、、、?」
「ああ、良かった良かった。そこまで覚えてれば大丈夫だよ」
Brianがそう言って、Freddyの両肩にぽんと手を置く。

、、、そして、それからみんなは、喜びあったあと、貴族の城をあとにし、Freddyを連れて村へと帰っていった。

「、、、Freddy兄貴一つ聴いていいか?」
Rogerが太鼓を馬車に乗せつつ、Freddyに聞いた。
「なんだい?」
ピョンピョンとその場でジャンプしながらFreddyが答える。
「Freddy兄貴、記憶をなくした時に作った曲は覚えているのかい?」
「ああ、覚えているよ。このピアノで作った指が覚えていた。
そのうち、ソロアルバムとして出そうかなあ。
題して、Mr Bad Guyっていうのはどうだろう?」
そう言って、コキコキと首を回して鳴らした。Freddy。
「いやいや、ぜひ、この4人兄弟カルテット「QUEEN」で制作させてもらいたいなあ。
Freddyお兄ちゃんがボーカルじゃないとね」
「というか、4人全員じゃないとQUEENじゃないけれど」とJohnが自分の言葉に更に付け加えた。
ちなみにJohnは、Rogerの太鼓を馬車に乗せる手伝いをしている。
そして、Johnは最年少ながら、バンドの会計のようなものをしていた。
「そう考えるとFreddy兄さん、記憶がなくなっても詩を作り続けて歌うなんで凄いなあと尊敬しますよ」
「Thank you、ダーリン♪」
ギターを片手にブライアンが言うと、Freddyは、ニヤッと笑ってみせた。
「それでは、始めましょうか?エビバディオッケー?レッツ ツアー!!!」

、、、こうして、Freddy&Brian&Roger&Johnの四人兄弟のカルテット「QUEEN」のツアーが始まるのである。

(完)

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