むかしむかし、あるところに、それは可愛い金髪の女の子が住んでいました。
女の子には森の奥に住むおばあさんがいて、いつも2人は仲良くスキーをしたり
サーフィンをしたりして遊んでいました。
『森でサーフィン…?非論理的だよ』
『いいじゃないかよブライアン。じゃあ、ディスコで踊ってましたって言うか?
おばあさんはいつも短パンです、海水パンツはエメラルドのビキニです、とかさ』
『ろ、ロジャー…何もそこまでばらさなくても…』
ある日のことです。どうしたことか、女の子の髪が緑色に染まってしまい、
仕方ないのでお母さんは赤い頭巾を被せてあげることにしました。
それ以来、女の子はみんなから「赤ずきんちゃん」と呼ばれるようになりました。
『わーい、赤ずきんちゃん、「ズキン、ヌイデー」なーんてね』
『フレディは引っ込んでろ!』
気持ちのいい朝のこと。
「今日はおばあさんに届け物をしてちょうだい」
まだ頭にカーラーを巻いたままのお母さんが、かごを手渡して言いました。
「中味は何?」
「おばあさんの好物よ。紅茶に、チーズのせトースト。
でもあまり長いこと居てはいけませんよ、遅くなると、
森にこわーいオオカミが出るそうだから」
「じゃあ、車でひとっぱしり行くとしようかなー」バシッ。
お母さんのうさちゃんスリッパの片方が、赤ずきんちゃんの頭を直撃しました。
『いてぇー。何するんだよブライアン!』
『赤ずきんが車に乗ってどうする!』
(くそー、何でこんな山道をかご下げてちんたら歩かなきゃいけないんだよ…)
心ではぶつぶついってる赤ずきんちゃんですが、明るく歌を歌いながら歩きます。
「う〜ううう〜う〜う〜 ざ まし〜ん おぶぁ どり〜ぃむ〜」どこどこどこ。
「さっちゃ くり〜ん まし〜ん」でけでけでけ。
まわりの木を手辺り次第にコンコンココン!とたたいていると、ボコッ。
とても変な音がしました。
「い、いてててて」
「あ、ごめんよフレディ…じゃなくて、オオカミさんこんにちは。ご機嫌いかが?」
「なにがご機嫌いかがだよ〜コブができたじゃないか」
「しっ、今本番だよ」
オオカミさんが登場しました。
「赤ずきんちゃん、どこいくの」
「おばあさんのおうちへ、お見舞いに」
「それじゃあ、お花をつんでいってあげなよ。おばあさんよろこぶよ」
「じゃあそうする」
赤ずきんちゃんはおばあさんのためにお花をいっぱい摘んであげました。
「たくさん摘めたわ。おばあさんきっと喜ぶわね。
おばあさ〜ん、私よ、赤ずきんよ。
…あれ、フレディ、何やってんだよ。まだ食ってないのかい」
花束を抱えた赤ずきんちゃんがおばあさんのおうちに着くと、
オオカミさんはまだベッドサイドでもじもじしていました。
おばあさんは気持ち良さそうにお気に入りの短パンで眠っています。
「きっ、君が早すぎるんだよロジャー。これからいいとこなのにさ。
さあジョン、君を食べちゃうぞ〜。どこから食べようかな〜ふっふっふ」
咳払いをしたオオカミさんはおもむろに襲い掛かります。
「ちょ、ちょっとやめてよフレディ!くすぐったいよぉ!」
「うん、ここかい?それとも、こっち?」
「○☆▲※◎×!!」
「…あのねえ、君たち。盛り上がってるのはいいけど、早くしなって!」
おばあさんを食べてしまったオオカミは、おばあさんの振りをしてベッドに寝ていました。
そこへ赤ずきんちゃんがやってきます。
「まあおばあさん、おばあさんの歯はどうしてそんなにでてるの?」
「それはね、…って、ちょっと待てよ?『歯』なんて台詞ないぞー!」
「間違えたんだよ。じゃあいくよ。途中を抜かすからね。
おばあさんのお口はどうしてそんなに大きいの?」
「(なんか嫌みな奴だな…)それはね、お前を食べるためさっ!」パクッ。
オオカミは赤ずきんちゃんを一口で食べてしまいました。
『一口では無理だな。こんなに丸々してんのに』
『やかましいぞフレディ!』
気持ちよくなってきたオオカミがグーグーいびきをかいて寝ているところに、
猟師さんが通りかかりました。手には「れっどすぺしゃる」という名の、
マシンガン仕込みのギターを提げています。
「ああ、やっとまた出番があってほっとしたよ。さあて、オオカミ退治をするかな。
…ん?どうしたのジョン?」
「カーラー巻いたままだよ、ブライアン」
「あっ、外すの忘れてたんだ、ありがとう。
…ところでなんで君ベース持ってるんだい?猟師は一人だよ?」
「僕はここのBGM担当なんだ。ほら、このシーンではこの曲でないと…」
(といって「アンダープレッシャー」のイントロをひきだす)
「そうだった。よし、じゃあ始めよう。
おやおや、おばあさんの家から変な音が聞こえるぞ」
猟師さんが近づいてみると、家の中から「ぶんぶんばべー、ぶぶぶんばーべべー」という
妙ないびきが聞こえました。
そしてベッドには、大きなお腹のオオカミが寝ているではありませんか!
『いっとくけど、赤ずきんがでかいから、お腹が大きいんだよ』
『つべこべ言うなー!』
「何てことだ!するとおばあさんや赤ずきんちゃんは、お腹の中に!?」
耳を澄ますと、「LET ME OUT!」というか細い声がお腹から聞こえてきました。
「これは大変だ。私が助けて進ぜよう。さ、ジョンも中に入ったかい?
それじゃあミュージック、スタート!ブライトン・ロック!」
そう言うと猟師さんは、おもむろにギターを弾き始めました。
『ブライアン…長いんだよソロが!』
猟師さんの攻撃に苦しむオオカミさんはうなされながら赤ずきんちゃんを吐き出しました。
「ああ、怖かった。猟師さん、ありがとう」
「いやいや、お安い御用で。よかったよかった。これでハッピーエンドだね」
猟師さんと赤ずきんちゃんは一緒にお母さんのおうちに戻ります。
『あっはっはー、ブライアンったらウサギのスリッパ履いたままでやんの。
「実にいい画だ」ってかあ?』
『…これは猟師さんの今日の収穫だと思ってくれ』
残されたおばあさんは。
『フレディ…早く僕も出してくれない?』
『もうすっきりしたからいいの。これでやっと二人っきりになれたねジョン』
『だ、駄目だってば、話を変えちゃあ!おばあさんも助かるんだよ〜これは!』
めでたしめでたし。(めでたくない人約1名)
(びぎなあさんによる舞台後の彼等の様子)
J:フ、フレディ〜〜、そんなわざわざベッドサイドで見つめないでよ〜。
F:ふっふっふ(じーーっ)
R:ちぇっ、なんで主役は俺なのにフレディのイラストなんだよー。
(こんなにカワイイのは俺だけなのにさー)
B:ロジャーの顔は特に難しいって描いた本人がこぼしてたよ。
年と共にあまりに顔のリンカクが変化しすぎるって…(ばきっ)
いたた! 僕が言ったんじゃないよロジャー、う、腕はやめろよー。
R:…それにしてもフレディ、その耳ははまりすぎだぜ。
もしかして前からあったんじゃないか?よくできてるなー。
F:だろ? それだけじゃないぜ! このキバも今日の為の特注品なのさ!
R & B & J:えー、やっぱりつくりものだったのかー(前歯)
F:(怒)そっちじゃない!