"Music Star" June 15th '74
今週は、クイーンの静かなるメンバー、いつも後ろの方にいることが多い、ベース・プレイヤーのジョン・ディーコンに
お話をきいてみます。スポットライトを浴びがちなのはフレディやブライアンだけれど、ジョンもかなり興味深い人です…
クイーンの他の3人と比べると、ジョン・ディーコンはとても物静かで落ち着いています。でもそれは彼が内気だとかいうことではなくて…ただ、残りのメンバーより物静かなだけなんですよ!
「議論するとき、みんなほど大声でわめいたりはしていない気がするからね」 彼はこう語ってくれました。「たぶんそれで僕が物静かだってことになってるんだと思うよ!」
ジョンは1951年8月19日、レスターで生まれました。17歳の妹が1人。お父さんはもう亡くなっていて、お母さんは昼間働きに出ています。
「最初はオードビーの幼児学校に行って、それからガートリー・ハイ・スクール、次にビーカム・グラマー・スクールに通ったんだ。
OおよびAレベルを取った後はロンドンに出て、ロンドン大学の一部であるチェルシー・カレッジで電子工学を学ぶことになった。ずっとそれが夢でもあったからね。
数学と物理は得意科目だったし、うまくこなせると思っていたさ。で、1年半前に、名誉学位をもらって卒業した訳」
学生時代にいくつかのセミ・プロ・グループで演奏していたジョンは、その繋がりでクイーンのメンバーと偶然会うきっかけを得ました。
「3年前、とあるディスコでロジャーとブライアンに会ってね。ベース・プレイヤーを探していると聞いていたから、僕じゃどうかなって尋ねてみたんだ。ちょっとしたオーディションの後、採用してもらえた。とってもイージーだったさ、ほんと!」
ジョンは現在、フルハムにあるフラットを数人でシェアして暮らしています。
「素晴らしいフラットでね、みんなとても仲良くやっているよ。外にはミニを停めてある。ミニは目下、一番信頼できる友人さ。シルバー・ブリット(銀の弾丸)って呼んでるんだ。前はそうじゃなかったのを、自分で銀色に塗り替えたんだよ!
暇な時は、読書や機械遊びを楽しんでる。車をいじくり回すのも好きだなあ。
何か具合が悪くなったら、深刻なものでない限り、大抵は自分で直しちゃえるよ。
服装の趣味は、かなり普通だと思うけど。シャツ、レザー・ジャケット、ヴェルヴェットのズボン、それにブーツ。だいたいこういう感じだよ。お気に入りの布地を白状して欲しいというんなら、そうだなあ、ヴェルヴェットだと言えるね」
彼の身長は5フィート11インチ、体重は9ストーン9ポンド。髪はダーク・ブラウンで、瞳はグレイ-グリーンです。
時間がある時には、ジョンは映画を楽しんでいます。
「今のお気に入りは、『エクソシスト』。かなり可笑しかったな。恐ろしいって言ってる批評を沢山読んで、これは怖いんだろうなって確信していたんだけど、全くそうじゃなかったんだもの!
怖いシーンなのに、映画館でみんなゲラゲラ笑っててさ! でも、中には怖がる人もいると思うけど。
テレビはしょっちゅう観ていたけれど、最近は時間がなくて。このところ、素晴らしいドキュメンタリーが多いみたいなのに、残念だよ」
世界中の国を訪れてみたいんだと話してくれたジョンですが、思わぬ障害があるようで…
「僕、飛行機に乗るのが好きじゃないんだ! たぶんいつかは慣れてくると思うんだけど、今のところ、どこかへ飛ばなきゃならないって時は耐え難いよ。でも船旅している時間は無いから、仕方が無いんだけどね」
もしクイーンがいつか解散するようなことになっても、職を見つけるのはそれほど難しくないだろう、そう彼は考えています。
「スタジオの電気エンジニア用の仕事は沢山あるからね。僕にはそういう類の仕事が性に合ってるみたいだし。でも続く限り、クイーンから離れないでいるつもりだよ」
私たちが会った時、ジョンは短いホリデーを計画していました。
「来週、何日かのオフがあるから、たぶん田舎に避難すると思う。あの平和と穏やかさが好きなんだ。
出来れば暮らしてみたいけれど、ほとんどの時間ロンドンで働いてるってのに田舎に住むのはちょっとヘンだしね。でもたぶん、何年か先には…」