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Stand Up For Queen

(1974年:オフィシャルファンクラブ2001年春号より引用)

顔見知りの人達がどんなエキサイティングなことをやってのけたのかや、これからどういうふうに成功していくのかを知るのは嬉しいことよね。そこで注目は、あの唯一無比のクイーン。(私達がLizzyとか他の「皇族方」のことを考えてる、なんて思ってるおマヌケな人達がいないことを祈るわ!) クイーンというのは以下の4人で構成されているの…ダーリン・ジョン、ゴージャス・フレディ、スーパー・ロジャー、そして勿論、ハンサム・ブライアン。10月号の記事を思い出してね。彼らは最近売れまくっているから、私達は他のインタビュアーと同席しなきゃならなかったんだけど、心配いらなかった。ジョンと昔通りの素敵な会話が出来たもの。それに彼、とっておきの超最新の話を聞かせてくれたのよ!

少しばかり疲れた様子だったけど、いつも通りのビューティフルかつ穏やかな声で、ジョンは溜息を吐いていたわ。
「ふう…、今までこんなに忙しかったことってないよ。モンクを言うつもりはないんだけどさ。だって、今ほどお互いに人生を楽しんでいる時なんかなかったもの。知ってるよね、もうすぐ始まるってんで盛り上がっているツアーに、僕達がどんなに一生懸命になっているのか。国中を廻ってるモット・ザ・フープルの前座で演奏しないかと言われた時からまだそんなに時間が立っていないんだよなあ、これでも」

「あの時はチャンスに飛びついたさ、勿論。そうしなきゃバカだよ。本当に素晴らしい時間を過ごせたなあ。リハーサルを一緒にやるまで、彼らには会ったこともなかった。僕達のことを知っているのかどうかも分からなかったけれど、会った途端に言われたんだ。アメリカで大流行しそうだぞって。彼らはアメリカでのギグから帰ったばかりだった。僕達のシングル『Keep Yourself Alive』が全米チャートのいいところにつけていたらしいんだ。それが分かってすごく嬉しかったよ!」

モット・ザ・フープルとのツアーはどうだった?
「もう、最高! とってもすごかった!」彼の説明によるとこう。
「モット・ザ・フープルのような大物バンドをサポートするって大変じゃないかと思うかもしれないね。お客がどんな反応を返すか分からないんだから。けれど僕達の場合は心配無用だった。観客はストレートに僕達を受け止めてくれて、とても良い反応を返してくれたんだ。ある時なんか、すごくいい感じになって、モットの連中が僕達に食われちゃうんじゃないかって心配していたんだよ。あれは可笑しかったな!」
そう言ってジョンは笑い声を上げた。
「一つだけ願い下げだなって思ったのは…移動の時。まあ、それも最後にはよい気晴らしだと思えるようになっちゃった。大きな長距離バスで至る所まわったよ、僕達はただ座ってチェスやスクラブルをしていただけなんだ」

今何か計画はあるの?
「うん。ある日、プロモーターが全く出し抜けにオーストラリアから電話してきてね、ツアーに来て欲しいって言ってきたんだよ。フライト運賃からホテルの勘定まで全部持つからって。これを逃す手はないだろ? 僕達はその申し出に飛びついて、月曜から出かけることになっているんだ。個人的には、ちょっとナーバスになっているけどね。だって僕、ドイツより遠くへ行ったことがないから…オーストラリアまで行くのに、30時間以上飛行機に乗ってなきゃならないんだよねえ」

そのツアーは一体どういう趣旨のもの?
「メルボルンでフェスティバルが3日間くらい行われるそうなんだ。かなり大規模な催しで、TV放映もあるんだって。このインタビューが記事になる頃にはもうやってるかもしれないけど、今はなんとも言えないな。で、戻ってきたら急いで3月の英国ツアーの準備をしなきゃ。これは、サポートグループとしてではない、僕達のツアーだから、すごく楽しみにしているんだ。ロンドンのレインボー・シアターとか、他でもかなりの大きさのギグをやる予定。たぶん、前にプレイした場所へも行くよ」

ステージパフォーマンスや衣装は?
「ステージに立つ時は主に黒と白の衣装を着るようにしているから、それである種の統一感が生まれているようだね。学校の制服とかの類じゃなくて、僕達が同じバンドの一員だと分かるようなものにすぎないけれど。フレディは現れた途端にフロント・マンだって分かるから、僕達もビジュアル重視の演奏を心がけている。フレディなんかステージ中跳び回っちゃうしね。また、照明を沢山付けて、カラフルにしているんだ。さっきも言ったように、とーってもビジュアルなわけ。ショウを開始する時は、真っ暗なステージに普通に歩いて行くんだけど、その後ギターが鳴って最初のナンバーが始まると、ライトがパーッと点いて、僕達は中断も混乱もなく曲に入っていけるんだ!」

LP『Queen』の次回作は?
「あるよ。『Queen 2』ってのをこしらえたばかりさ。あまり冴えない感じがしないでもないけど、皆が納得できるタイトルが他になかったんだ。最初のLPは15,000くらい売れて、まずまずだったし。今度のLPの中にはフレディがTate Galleryで見た絵画にインスパイアされて書いた曲が入っているよ。森の中に妖精が集まっている絵なんだ」

他に趣味ってある?
「本当言うと、僕達はみんな音楽に入れ込んでいるから、趣味と呼べるようなものはないと思うな。ブライアンはしばらく天文学にかかりっきりだった頃があったから、もしかすると少し恋しくなってるかもね。ある時なんかKohoutek(☆73年末から74年初頭にかけてのみ肉眼視できた彗星。)を探すのに夢中になりすぎて、他のことなんてちっとも考えていなかったもの。僕は音楽のテクニカルな面にすごく興味があるんだ、大学で電子工学をやってたから。いつかは自分のスタジオを持ちたいなあって思っているよ。ロジャーはね…何が好きなのかなんて見当もつかないな、マッタク!」
そういって彼は笑い出した。
「いつだって新聞やポップバンドに関する記事なんかを読んでるんだ。皆が欲しい情報をいつでも自分が一番にゲットできるように、あらゆることを知りたがってるみたいだね! フレディのこともよく分からないなあ…いつでも音楽のことを考えてるみたいだから。」

将来の野望はある?
「アメリカに行くこと」
即答!
「でもその前にここでまず地盤固めをしなくちゃね。ヨーロッパ・ツアーも行って、それから、アメリカだな。それに関しては皆かなりナーバスになっているけれど、向こうじゃ僕達がどんなバンドなのかってことが神秘のベールに包まれてるらしくてさ、ご招待もいくらかあるんだよ!」

そして私達はさよならを言ったんだけれど、この男の子たちとまた会える日は近いって確信したわ!


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