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ジョン・ディーコンに関するAからZまで

(文:三木 千寿 、Rock Show77年)

A Night At The Opera (オペラ座の夜)

クイーンの自信作「オペラ座の夜」は、もちろんジョンもたいへん気に入っている。アルバム製作中の頃、「リッジ・ファームに来て初めて、自分達で作った曲をそれぞれ聴かせたんだけど、アルバム2枚分位はあったね」と余裕ある表情を見せた。アルバムがリリースされた後は、日本での売り上げ状況にひどく興味を示し、10万枚位という答えに満足していたようだ。

Bass Guitar(ベース・ギター)

地味な存在だが、クイーンのサウンドを、ガッチリ支えるジョン。愛用のベースは、フェンダー・プレシジョン・ベースで、サンバーストとナチュラルの2本を使い分けている。

Compose(作曲する)

クイーンの曲はほとんどブライアンとフレディによって書かれているが、ジョンの作曲に対する手腕も見逃せない。アルバム「シアー・ハート・アタック」の中の一曲"ミス・ファイアー"(☆そこに中点入れたらアカンと思う)はジョンの作品だ。「僕が初めて作曲というのをやったのが、この曲なんだけど、いつものブライアンとフレディの作品がすごくいいから、僕なんかの曲では良くないような気がして心配したんだ」と、ジョンらしい謙虚な言葉だが、仕上がりの素晴らしさがジョンの作曲家としての才能を無言のうちに語っているといえよう。

Dress(服装、衣服)

お洒落に関してもこれといったスターらしさを持たないジョンだが、そのセンスは地味ながらシックにきまっている。ダークなストライプのベスト・スーツに茶色のサボ、それに2つの指輪がさりげなくジョンの個性を引き立てている。

Electronic engineering(電子工学)

クイーンのメンバーはそれぞれたいへんな秀才である。ジョンも例にもれず、チェルシー大学で電子工学を学び、首席で卒業。電子工学の博士号まで持っている。ジョンの電子工学に対する知識は、クイーン・サウンドにも一役かっているようだ。

Food(食物)

ジョンの好きな食べ物は、日本食。日本へ来た時、メンバー全員でいそいそと六本木で食事をする予定で出かけたのだが、ジョンひとりが信号に引っかかって渡れなくなり、しかたなくホテルへ帰ってしまった。(☆鈍臭い奴…)日本の食べ物に人一倍愛着を感じているジョンだけに残念だったにちがいない。

Guitar(ギター)

現在はクイーンのベース・ギタリストとして大活躍中のジョンだが、彼がベース・ギターに持ち替えたのは14歳の時。それより以前に、12歳の頃からギターを弾いていた経験を持っている。

Home(家庭)

ジョンはメンバーの中での結婚第一号であり、すでにロバートという一児のパパでもある。ツアー中は長い間家庭を離れるので、常に、子供に顔を忘れられるからか、ホームシックのためかわからないけれど、(☆両方に決まっている)家に帰ることを願っているようだ。未だに両親や家族を大切にする、ジョンの誠実な人柄が伺える。

Interest(関心、興味)

ジョンの趣味は車と音楽とラジオ。車はフォードが好きで(☆でも乗ってるのはボルボ)、好きなコンポーザーはビートルズ。愛読書は「パピヨン」「オデッサ・ファイル」などである。

Japan(日本)

初来日の時、ペンタックスを買い込んだジョンは日本のカメラがたいへん気に入ったようだ。二度目の来日の折、去年行ったカメラ屋へ連れて行って欲しいと関係者に一番に話を切り出したのがジョン。その去年行ったカメラ屋というのが、定価の3割引という破格の安さで、また去年と同じように割引してくれるかどうか聞いて欲しいという。わりとがっちりした一面もあるようだ。(☆そりゃ、生活かかってるから。)

Kind(親切な)

いつ何時取材をしても、快く親切で、思いやりのあるジョン。あまり感情的ではなく、常に神秘的な面影を漂わせている。しかしそんなジョンも、MLから75年度の人気投票のベスト・アルバムのトロフィーを贈るとさすがに嬉しさを隠しきれない。「素晴らしい、ウレシイ!」と目を輝かせて、喜びを表現していた。(☆97年ベジャールバレエで勲章を貰った時も嬉しそうだった。いくつになっても何かを貰うと嬉しくてしょうがないらしい)

Leo(しし座)

ジョン・リチャード・ディーコンは、イギリスのレスターで、1951年8月19日(しし座)に生まれている。しし座の特徴をよく表した、余り華やかなことは好まず(☆ロジャーもしし座だけど?)、マイペースで事をなそうとするタイプ。又、占星学的分析によれば、男性的な性格なので女性によくモテる。

Mechanism(機械)

ジョンは、クイーンのメンバーの中でも非常に機械に強く器用だ。時々楽器が故障したりしてローディ達が直せないものでも、チラッと見ただけで、いとも簡単に直してしまうという。機械一般、それにテープ・レコーダーについても詳しい知識を持つジョンの教えを、ロジャー達はもっぱら仰いでいる。

Native(純真な)

テレビのインタビューで、フレディが単独で答えている時、ジョンはロジャーと2人で鳥の格好をして、手をヒラリ、ヒラリと動かして飛び回っていた。照れて頬を紅潮させながら屈託のない微笑みを浮かべるジョンには、小さな男の子のような純真さと、素朴で愛らしい姿がある。

Observation(観察)

口数も少なく、非常におとなしい印象を与えるジョンだが、常にキョロキョロと周囲の人々を眺め、様々な物を観察しているようだ。来日した時も、レセプションにおいてクイーンのフィルムが放映されても、独り言を呟きながらただ凝視しているジョン。しかしそんな目立たない(☆充分目立っていると思うが)ジョンの行動の中に、要所をしっかりとらえる鋭さがあるにちがいない。

Photograph(写真)

ジョンは「あまり写真はとられたくないんだ」といいながらも、その人柄の良さからかいつでもカメラマンの注文に応じてくれる。ベッドの上でポーズをとったり、窓に向かって立ったり、カメラに向かって斜め30度に視線を下げたり、いたれりつくせりのサービスぶりである。(☆結局、好きなんだろう。)ただ難点は、どこで写真をとってもジョンの表情に変化はほとんど見られないことだという。

Queen(戦慄の王女)

クイーンのデビュー・アルバム「戦慄の王女」において、ジョンの名がミス・プリントで、"ディーコン・ジョン"と印刷されてしまった。(☆ミスプリと思っていたのは本人だけで、後の3人の確信犯だったそうだが。)これにはジョン自身たいへんに憤慨していて、何度も「俺はジョン・ディーコンだ!! そう伝えてくれ」と関係者に話した。こういったところに意外な茶目っ気とユーモラスなパーソナリティーを感じることができるようだ。

Reputation(評判)

グループいちののんびり屋で、いつもニコニコ、笑顔と気立ての良さが売り物のジョン。なにしろメンバー同志がケンカを始めても、加わらず、遠くから眺めているだけというから、なかなか人間が出来ている。そんなジョンをフレディはこう評価している。「ジョンとはケンカにならないんだ。答えが返って来るのに一日かかるから――」ジョンのこういった一種独特の性格は、少なからずクイーンの中で欠くことのできない重要な要素となっているのだろう。

Show(ショウ)

二度目の来日公演でクイーンは、ステージでマグネシウムを爆発させてショウ・アップすることができなかった。これは初来日の時使用し、そのあとプロモーターが消防署に怒られたためである。ジョンはこの件に関して「今まで世界中で使って来て、一度も事故なんかおこしたことがないのに、残念だなあ」とさかんにくやしがっていた。

Tricksy(いたずら好きな)

日本へ来た時も、比較的単独行動の多かったというジョン。雰囲気的には大人っぽく、落ち着いたイメージを持っているが、常に周囲をなごやかにさせ、いたずらっぽさを忘れない。口数も少ないが、お茶会で出された和菓子、抹茶を試食し、突然いかにもまずそうというこっけいな表情をみせたり、フッと関係者の笑いをさそう。

Unruffled(静かな、冷静な)

フレディ、ブライアン、ロジャーが、インタビューなどにテキパキと応えるのに対し、ジョンは時たまチョコっと口をはさむ程度。セブン・アップを飲みながら、皆のおしゃべりを黙って聞いているジョンの表情は、実にリラックスしている。

Volunteer(志願者)

大学に入って約一年間、音楽から遠ざかっていたジョンだが、やはり音楽をやりたくてたまらなくなっていた。そんな頃、たまたま立ち寄ったブティックの店員にフレディがいて、ちょうどベース・プレイヤーを捜しているところだという。早速、ジョンはグループのベース・プレイヤーの志願者の一人となった。(☆非常にそそられるエピソードであるが、ディスコでブライアンとロジャーに出会って云々、というのが一般的だ。)結局、20人の志願者の中からジョンが選ばれたわけだが、ジョンは「僕は非常に幸運だったと思う。何もわからぬままオーディションを受けて、音が合うようだったので採用されたらしい」と当時の様子を興奮気味に語っている。

Wise(賢い)

マスコミのインタビューなどでは、あまり話さないが、チョッと酒が入れば、すぐに陽気になるユーモラスなジョン。しかし、クイーンのメンバーの中でも、ビジネスの本質というものを充分に理解していて、非常に賢明な男でもある。

X'mas(クリスマス)

1975年11月15日から、クリスマス・シーズンにかけて行われたクイーンの3度目の全英ツアーは大成功を収めた。フレディやブライアンの艶やかな衣裳に対し、白いスーツで身を固め不動のまま黙々とベースを弾き続けるジョンの姿は、一段とクイーンのステージにしまりを与えているようだ。(☆その後、笑いのネタを与えるようになるとは誰も思うまい…。)

Young(年の若い、幼い)

クイーンのメンバー中、最年少のジョン。若い女の子の間では一番の人気者だが、最年少ということで、(☆というか既婚者・子持ちということで)他の3人に比べて何事も控えめ。羽田の税関を通過する時も、メンバーの一番後ろにいて、静かにその姿を現した。

Zest(熱心・熱情)

小さな頃から音楽好きで、タムラ・モータウンのポップ・ソウルを熱心に聴いていたジョン。ソウルとファンクが大好きで、オハイオ・プレーヤーズを好んで聴いていた。

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