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「クイーン、栄光への美学」(抜粋)−1−

(An Official Biography by Larry Pryce 音楽専科社)

Introduction of Queen

ジョンはレスターに生まれたためか、北部人特有の、大地に足をつけた性格をもっている。

ロジャーと同じ獅子座生まれなのに、ステージの上でもステージを離れても、性格の違いが顕著である。クイーンの中では、骨太の現実主義者なのだ。チェルシー大学で電子工学の一級学位を得たくらいだから、ツアーの途中で、よく機材の故障を修理することがある。また、数学的な頭脳を駆使して、他のクイーニー達に、ビジネス上のアドバイスをする。

クイーンは、音楽的に、外からの影響がない事を常に示して来たが、ジョン・ディーコンにもこの事が完全にあてはまる。彼は自分の中に閉じこもる事を好むし、クイーンの中では唯一の妻帯者なのだ。インタビューやマスコミ関係の会見といった物に、ほとんど興味を示さないし、公の場に出た時も背景にとどまって、他のメンバーに脚光を浴びさせておく。それで満足なのだ。(☆本当に満足しているのかどうかは別として。)

鋭い観察眼の持ち主で、人間や状況を的確に見抜くだけの高い知的能力を持っている。クイーンの中でも、一番近づきにくい人柄と控えめに伝えられているが、本当はすばらしいユーモア感覚の持ち主であり、(☆酒が入ると、特に。)このきわめて個人主義的な4人組の一人である事を心の底から楽しんでいるのだ。

クイーンの音楽を別にすると、彼の好みはファンキーなバンドに偏る。彼の、肩に力を入れないベース奏法は、精緻をきわめたクイーンの編曲に、しっかりした基盤を与えるという形で、影響を与えている。もちろんフレディのような派手さはないが、時には物静かで落ち着いた自分を振り捨てて、衝動的にショウマンになりきり、ステージの前面に飛び出て来ることもあるのだ。(☆この衝動は「しっかりした基盤」とは到底言い難いのだが)

完全に自律的になりうるという彼の能力のおかげで、クイーンの音楽は、しっかりした基礎を得ている。また、彼の手になる曲は、人生に対する直接的で(☆まさにそうだ)素朴な態度を表している。彼の一貫した影響力が、これからのクイーンの成功を保証していく事だろう。

ロジャーのコメント

「僕達にも浮き沈みってのはあるけど、結局、最後には安定しちゃうんだ。 みんなの中でも、ジョン・ディーコンが一番安定してる。彼は岩みたいな奴でね、 玉突きで勝ったって、「ふむ、悪くない」とか何とか、せいぜいそんな物だぜ」 (☆素直じゃない性格ともいえる)

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