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二元インタビュー
「ボクは結婚してないけど、息子がいて、今3歳サ」(ロジャー)
「イギリスに帰ったら、アマチュアのマラソンレースに出るんだ」(ジョン)
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Q1:久しぶりに日本に来た感想は?
ロジャー:一年半ぶりなんだけど、今回に限らず、来るたびにあか抜けた感じがするね。今、原宿に行って、シャツを買ってきたんだ。
ジョン:う〜ん、自由になった感じがするナ。特に若い子たちは、ほんの少しだけど、自由になったって感じするね。
Q2:前回、西武球場でコンサートやった時の思い出を聞かせて。
ロジャー:寒かったなぁ。とにかく寒かった。観客がやったら遠くにいた気がする。いいとこだったけどね。フィールドはそれでも2千人くらいはいたのかなぁ。寒かったことよく憶えてるヨ。
ジョン:寒かった! そして広かった! 観客が遠くてね。ボクが好きなのはブドーカン。(☆わざわざカナ表記なのは発音に問題があるせいか?「ブゥ〜ドゥカ〜ン」←栄光の軌跡(2))なんか雰囲気がいいんだよね。最近は非常口のライトが残ってるけど、最初の時は客席真っ暗になってね、今でもよく憶えてるけど、気分よかったんだ。
Q3:初来日は9年前の4月だけど、一番印象に残っているコトはナ〜ニ?
ロジャー:羽田空港だったね。あんなにファンが迎えに来てるとは思わなかったなぁ。
ジョン:よ〜く憶えてる。羽田空港に着いてさ、ブライアンが怒り狂っちゃったんだよねェ。ファンがすごくいっぱいいてさあ、服なんて破かれちゃって。でも、楽しい思い出の方が多いね。とにかく、ファンが熱狂的だった。
Q4:デビューして10年になるけど、これまでを振り返って、何を感じる?
ロジャー:驚きだね。ボクたちまだ人気あるなんて。長い気もするナ。10年間にいろんなことしたからなぁ。この先10年ていうと、どうかなぁ。きついかもね。でも10年たってみないと、どうなってるか予想もできないヨ。
ジョン:大変だった。エ〜ト、あとは、やったこと思い出すとすごくあるんだけど、テンポが速くって映画観てるような感じだね。
Q5:今までに製作したアルバム、順番に全部言える? 言えたら、その時々の思い出とか、サウンドの移り変わりを語って。
ロジャー:言えるよ。もちろん! 『クイーンII』の頃から大掛かりなものをやるようになったね。その傾向は『シアー・ハート・アタック』まで続いて、『レーシズ』の後からまたロックン・ロールのシンプルなものをやるようになったと思う。別にメンバーの私生活とはあんまり関係なくって、一つの音楽のスタイルをしばらくやっていると、行き詰まっちゃうだろ。だから、何か新しいものということで他のスタイルを試みるわけサ。『ゲームズ』ではロカビリーみたいなことをしたり、「バイト・ザ・ダスト」はヘヴィなダンス・ミュージックだったり、いろんなものをやってみたんだ。
ジョン:うん、言えると思うヨ。順番は間違えるかもしれないけど。(☆おいおい)アルバムの変化ねエ、1枚1枚少しずつ変わってると思うけど、私生活とは関係ないね。レコーディングしてる時ってクレイジーだよね。ツアーに出てもクレイジーだけど。2年前からあんまり飲まないようにしてるんだ。
☆しかしながら飲酒運転で免許停止をくらうのはこの後のことである。
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★お世辞じゃなくて、日本が大好き
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Q6:この10年間で一番嬉しかったことはナニ?
ロジャー:クイーンで最初のシングル出した時だナ。
ジョン:まだ人気があることだね。
Q7:この10年間で一番悲しかったことは?
ロジャー:難しいなぁ。10年間ラッキーだったからね。悲しいこと思い付かないナ。
ジョン:思い付かないね。
Q8:この10年間で一番怒ったことは?
ロジャー:悪い批評を聞くと頭にきちゃうね。特に何の批評が悪かったってことないけど、何をやっても好評、悪評、両方あるじゃない。悪い批評大嫌いだぜ。いいかげんなのもあるしサ。
ジョン:メキシコ! 恐ろしいんだぜ。ステージに立ってるといろんなものが飛んでくるんだ。ビンとか大きなバッテリーとか、ほら大きなラジカセなんかに入ってるやつ。そんなのがビュンビュン飛んでくるんだ。あと靴一足とかね。わざわざ左右の靴ひも結んで飛んでくるんだ。恐ろしいヨ。体にそんなもの当てられてみろよ、頭きちゃうぜ。
Q9:この10年間で一番驚いたことは?
ロジャー:「アナザー・ワン・バイト・ザ・ダスト」が大ヒットしたことかナ。あと、南米でやったコンサート。みんな英語わかんなくてもスッゴクのってて、いい客なんだ。あのくっだらないフォークランド戦争の間も、ボクらの曲はアルゼンチンで1位だったんだ。理屈に合わないよね。
ジョン:「アナザー・ワン・バイト・ザ・ダスト」がアメリカで大ヒットしたことだね。驚いたよ。
Q10:この10年間で一番ドジったことは?
ロジャー:夕べ、飲みすぎたこと。ウォッカをガブガブと飲んでしまってね。今日、ボケてんだ。
ジョン:いっぱいありすぎて、わかんない!
Q11:色んな国をツアーしたと思うけど、好きな国はどこかな?
ロジャー:日本!お世辞でなくて好きだね。だってクイーンが最初に大ヒットしたところじゃない。あと、オランダ。ヨーロッパの国ってみんな一緒だと思ってるかもしれないけど、そんなことないんだ。オランダ好きだね、ムフフ。
――誰かいるんじゃない?
ロジャー:いや、ただ好きなんだ。オランダが。エピソード?どこ行っても飲んでるね。この2〜3年はそれでも大分飲まなくなったけど。あと、アルゼンチンもいいね。人がいいよ、あそこは。
ジョン:まずジャパン。言うまでもないね。あとアルゼンチン。南米って国によってすっごく違うんだ。ブラジルとアルゼンチンじゃ話す言葉も違うしね。メキシコとは全く、100%違うヨ。アルゼンチンはスペインっぽいね。イギリスの影響も強いけど、ブラジルはアメリカ系だね。
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★フレディがホモ? ノーだね
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Q12:オフの時は、みんなそれぞれ、どこに住んでるのかナ? また、別荘なんかもってる?
ロジャー:ボクはソーリーっていうロンドンの郊外に住んでるんだ。フレディはロンドン市内だけど、あとの2人はロンドン郊外に住んでる。普通のロンドン郊外の住宅地だよ。別荘らしい別荘って言えば、ボクのスペインの家くらいかナ。あとは、仕事の関係上便利だからっていう家だね。えっと、ブライアンとジョンとボクはロスにも家持ってて、フレディはニューヨークにアパート持ってるヨ。
ジョン:ロスにも家持ってるけど、別荘っていうより普通の家さ。仕事でロスにいること多いから。子供とバケーション一緒に過ごしたりもするけどね。
Q13:ヒマな時は、何をしていることが多いのかナ?
ロジャー:極々普通のこと。テレビ観たり、本を読んだり、庭に手入れしたりね。みんなも同じだヨ。ジョンやブライアンは子供と遊んだりもするだろうし。
ジョン:仕事がこれだけあって、子供もいると自分の時間ってないね。休みは子供の相手して終わっちゃう。
Q14:みんなの家族構成を教えて。車とかペットも含めてね。
ロジャー:ボクは結婚してないけど、息子がいて今3歳。ヤンチャ、ヤンチャ。名前はフィリックス。ブライアンとジョンは結婚してる。ボク、結婚したくないね。結婚ていうもの信じてないから。ブライアンの奥さんはクリスっていって、あそこは子供2人だったかな。ジミーと、えっと、何だっけ? あ、ルイザ。ジョンのとこは4人も子供いるヨ。こないだ4人目生まれてね。奥さんの名前はバロニカ(原文まま)。子供はエート、ジョシュアにロバートにマイケルにローラ。ボク、ネコ飼ってるはずなんだけど、今誰のとこかなぁ。時間ないね、ペットまで世話できないよ。
ジョン:子供4人で、一番上8歳。家族はできるだけ公表したくないんだ。子供で手いっぱい。ペットまでは手がまわらないから、いないナ。去年ちょっと贅沢と思ったんだけどポルシェ買っちゃった。白いの。ロジャーは車好きみたいだね。アスティンマーティンに乗ってる。フレディやブライアンはそんなに車に興味ってないみたい。
☆控えめながらも嬉しそうに打ち明けているこのポルシェこそが免停ですぐに売り払った悲劇の車なのであった。
Q15:趣味はナーニ? また、最近、特にコっているのは?
ロジャー:特に趣味とかないなあ。忙しいしね。仕事してるかボーッとしてるかだね。
ジョン:ミュージックだね。最近ジョギングしたり、運動するようにしてる。まあ、スポーツが趣味と言えば言えるけど。特にないね。イギリス帰ったら、アマチュアのマラソン・レースに出るんだ。
☆この後の殺人的なプロモーション・スケジュールですっかり体調を崩したという話があるのでレースには出ていないのではないだろうか。そもそもマラソンするほどの持久力があるとは思えないのだが。(体力はディスコ回りで実証されているとしても)
Q16:オフの時、他のメンバーとはどんな付き合いをしてるのかナ? また、みんなの性格を教えて。
ロジャー:フレディとは休みの時もよく会うヨ。他の2人とも会うけど家族があるからね。フレディとは飲みに行ったり、お互いの家でいろんなアイディア話し合ったりするんだ。ジョンはわ・り・と…おとなしいね。あんまりバカなことしない。ブライアンは、真面目だねえ。フレディはクレイジー。エピソード? ステージを見てヨ。性格わかるでしょ。
ジョン:うん、時々他のメンバーとも会うよ。会うつもりなくてもパブなんかで偶然会えば合流するし。でも、みんなの性格って…う〜〜〜〜〜〜ん、あんまり言いたくないナ。
Q17:フレディのホモ説、両刀使い説があるけど、実際はどうなの?☆←何をきくねん…(-_-;)
ロジャー:ボクの経験から言ってノー。
ジョン:ン?(ちょっとやな顔をする)音楽の話しようヨ。
☆ほんとにそうだ。…しかしこの答え方を見ても、二人の違いが顕著である。
Q18:今、イギリスでは、クイーンに続くスーパースターはデュラン・デュラン、カルチャー・クラブだと思うけど、彼らに対してどう思ってるのかナ?
ジョン:うん、カルチャー・クラブあたり強いね。ボーイ・ジョージの声好きだな。曲もいいし。デュラン・デュランの最近の曲はあんまり好きじゃないナ。初期のがいいね。
ロジャー:カルチャー・クラブのレコード好きだな。いい奴らだしね。ボーイ・ジョージは頭いいヨ。すっごく頭いい。デュランのジョンも知ってるヨ。良い子なんだヨ。デビューする前よくクイーンのコンサート見に来てくれたんだ。彼らの曲はあんまり興味ないけど、いい奴らだね。衣装は好きです、ハイ。
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★新作ビデオじゃ、全員女装さ!
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Q19:もし、彼らに会って話すことがあったら、どんなことをアドバイスしたい?
ロジャー:みんなヒット飛ばしてるし、アドバイスなんてないヨ。
ジョン:特に話すこともないけど、普通の話するんじゃないのかナ。彼らにアドバイスなんて必要ないヨ。まあ、この先クイーンがどれ程長くやってけるかわかんないけど、特に心配もしてないね。10年もやってこれた方が不思議なんだヨ。彼らとやってる曲は違うから、彼らに人気を取られてダメになるってことないだろうけど、時の流れに従ってボクらが消えて彼らが残るってことは有り得るね。それはそれで仕方ないナ。
Q20:ロジャーはデュラン・デュランのロジャー・テイラーと名前も担当楽器も一緒だけど、どんな気持ち?
ロジャー:ホーント、偶然なんだよね。もう一人同性同名のテニス・プレイヤーがいるけど、ドラマーってことまで同じなんだもん、不思議だね。ボクの方が年とってるけど。
Q21:最新作『ワークス』のレコーディング時のエピソードを聞かせて。
ロジャー:『ワークス』は気に入ってるヨ。今までのいろんなクイーンのスタイルを入れてあるつもりなんだ。レコーディングも楽しかったゼ。ロスで大半レコーディングしたんだけど、いろんなミュージシャンが遊びに来てくれてね。ロッド・スチュワートとジェフ・ベックが一緒にやって来てくれたのは嬉しかったナ。みんなでツアーしようかなんて言ってるんだ。当然、飲んだね。いっぱい! しょうちゅうとか…。あと、ビデオを作ってておかしかったなぁ。「ラジオ・ガガ」もおもしろいけど、次のが最高。全員女装したんだ。ボクは不良女子高生、ジョンはおばあちゃん、ブライアンは醜い女で、フレディはそれはそれは、それはもう、ものすごく醜い女。アハハハ! ボクのアイデアなんだ。
ジョン:今までのアルバムの中でも特に気に入ってるのの一つだね。去年しばらく休めたから、それもよかったと思ってる。でもレコーディングに時間かけ過ぎなんだヨ。ああでもないこうでもないって。ボク、飽きちゃう。ビデオは面白いヨ。恥ずかしいけどね。女装しちゃったんだよね。フレディとロジャーは下着から女物にしてたんじゃなかったかナ。ブラはいるよね、目立つから。いずれにしても異常の世界だよ。誰だろうね、言い出したの、ボクではないヨ。
☆訳し方がキュートで笑えるのだが結構文句をたれている。
Q22:今後の予定と、最後に、日本のファンへメッセージをちょうだい。
ロジャー:「ラジオ・ガガ」の次のシングル用ビデオを撮り終えたばっかりなんだ。この後は一度イギリスに帰って、ドイツへ行ってリハーサルして、アフリカ・ツアーに出るヨ。それから、エート、アメリカへ多分行くだろうナ。ツアーか何かのフェスティバルだかは、はっきりしてないんだ。それで…日本は10月か11月にまた来る予定。いつも応援してくれてありがとう。「ラジオ・ガガ」も、その次のシングルも気に入ってくれると嬉しいナ。
ジョン:プロモーションで韓国行くんだ。ソウルやホンコンやシンガポールとかも行きたいね。決定じゃなくて、ボクの希望だけど。ハーイ、クイーン聴いてくれてありがとう!
アイドル雑誌VIVA ROCKのカラーインタビュー。音楽専科84年5月号に記述された服装で各ページ毎にポーズをとっているが、ほとんどがロジャーである(苦笑)。同時期のインタビューが3つもあるが、それぞれで細かいネタを提供してくれているのが嬉しい。